住友ゴム工業は、スポーツ用人工芝のマイクロプラスチック流出抑制に取り組んでいます。
マイクロプラスチックが河川や海洋に流出し、そのマイクロプラスチックを海洋生物が摂取する事で生態系への影響が指摘されています。

※「日本の河川・港湾・湖におけるマイクロプラスチック等浮遊状況及び人工芝の流出源調査レポート(ピリカ社)」からの引用
それでは、当社のマイクロプラスチック流出抑制の取り組みについてご紹介します。
マイクロプラスチック流出抑制の経緯と当社の対応
2018年 | 株式会社ピリカが「海洋流出しているプラスチックの中に一部人工芝が含まれている」と公表 |
---|---|
2020年 | グラウンドでのマイクロプラスチック調査、並びに海岸への流出調査を当社で開始 |
2020年 | 株式会社ピリカと当社でコンサルティング契約を締結 ![]() |
2021年 | 当社にて西宮浜多目的グラウンドで実証実験開始 |
2021年 | 当社の取り組みを環境省展開「プラスチックスマート」に登録 ![]() |
2021年 | 公益財団法人日本スポーツ施設協会 屋外施設部会が「人工芝グラウンドにおけるマイクロプラスチック流出抑制に関するガイドライン」 発行(当社も会員としてガイドライン作成に参画) 環境省発行「マイクロプラスチック削減に向けたグッド・プラクティス集(2020年度)」に当社取り組みが掲載(人工芝メーカーとしては唯一の掲載) |
2022年 | おおさかプラスチック対策推進プラットフォームに参加しスポーツ人工芝の現状調査、対策実証ワーキング対応 |
2022年 | 多摩市との連携によるテニスコート(砂入り人工芝)での実態調査と対策実証実験開始 |
2022年 | 環境省発行「マイクロプラスチック削減に向けたグッド・プラクティス集(2021年度)」に当社取り組みが掲載 |
2023年 | 「大阪府内の人工芝施設におけるマイクロプラスチック流出抑制に関するガイドライン(大阪府)」作成に参画 |
2023年 | 「プラジャーナル」に当社取り組みが掲載 |
2023年 | 環境省より、施設管理者向けの「流出防止協力のお知らせ」公開(当社は2021年度からワーキングに参加、協力) |
2023年 | 多摩市より、TAMA サスティナブル・アワード2023 プラスチックスマート部門大賞受賞 |
2024年 | 環境省「Plastics Smart」ホームページ内・CASE STUDY1に当社取り組みが掲載 |
2024年 | 日本経済新聞電子版と紙面に当社取り組みが掲載 |
2024年 | プラスチックス 2024年11月号に当社取り組みが掲載 |
2025年 | 環境省発行「マイクロプラスチック削減に向けたグッド・プラクティス集(2024年度)」に当社取り組みが掲載(人工芝メーカーとしては唯一3年連続の掲載) |
対策イメージと詳細
「耐久性の高い人工芝を採用する」ことで、発生をできる限り少なくすることが大前提です。 それでもマイクロプラスチックの発生を“ゼロ”にはできないので、次の対策を実施してください。
マイクロプラスチック流出抑制の考え方

❶ ピッチ内で捕捉・除去する
❶-1 外周人工芝

仕様
ロングパイル人工芝(砂のみ充填)orノンフィル人工芝
(全面透水型・超透水人工芝を推奨)
敷設
水下側端部1m幅に配置
プレー範囲との色調差を推奨状況に応じ側溝等のカバーも効果的
❶-2 外周バリア

仕様
不織布(透水型・厚手)又は防塵ネット(細目)
取付
周ネット/フェンス下部に30~50cm高さで固定
下端部を人工芝敷込み等で固定
❶-3 定期清掃の実施

清掃
ターフクリーナーで定期的な清掃の実施
❷ 排水路内で捕捉する
❷-1 側溝フィルター

仕様
ステンレス金網
捕捉物に適したフィルター材(樹脂ネット、不織布等)を使用し定期清掃を実施
設置
側溝内端部(集水桝手前)
❷-1 立体側溝フィルター

仕様
編組網目パイプ(側溝断面の10倍面積となる樹脂網目パイプを使用)定期清掃を実施
設置
側溝内端部(集水桝手前)
❸ 出入口で捕捉する
捕捉ピットの設置

設計
人工芝ピッチの出入り口を固定し、シューズや衣服に付着したゴムチップ等を除去できるエリアを設置。

FINAL DRAFT FprCEN/TR 17519
ご利用の注意点
- 末長くご使用いただく場合には正しい維持管理が必要です。
- 長期間放置すると、目詰まり、破損・欠損の原因となります。
- 本システムは全てのヤーン、チップを回収できるわけではありません。
マイクロプラスチック流出抑制対策導入実績
その他 対策例実績
ロングパイル人工芝
- 港区麻布運動場(東京都)/側溝フィルター
- 大朝町グラウンド(広島県)/立体側溝フィルター
- 池田町グラウンド(岐阜県)/立体側溝フィルター
砂入り人工芝
- マリンテニスパーク北村(大阪府)/ 外囲い、側溝フィルター
- 三芳町テニスコート(埼玉県)/側溝フィルター
- 多摩市連光寺公園(東京都)/側溝フィルター
- 多摩市貝取北公園(東京都)/側溝フィルター

(環境省が展開する「プラスチック・スマート」にも登録されています)